子供でもわかる建物の安全性

前回に続き、構造家でもなんでもない私が、大学・大学院と学び、現場で色々と見聞した結果、建物の耐震力について理解をしていることについてお話したいと思います。

「免震構造」「免震マンション」この言葉を聞いてどう思いますか?これを売り文句に売られているマンションがあったとしたら「耐震力のあるマンションなんだ」「安全なんだ」と思う方がほとんどなのではないでしょうか?
実は私の理解は逆です。「免震構造がないとこのマンションは損壊してしまう危ないマンションなんだ」です。「汝免震に騙されることなかれ!」です。

そもそも、建物の耐震性能というものを理解するのは非常に簡単です。これには超単純なモデルにして考えてみるのが理解しやすいと思います。
※1の図を見てください。タワーマンションと低層マンションを横から見た超単純図です。
地震に強いのはどちらでしょう。一目瞭然ですね。タワーは揺れに弱いんです。子供でもわかります。土に細い棒を立てるのと、太く短い杭を打つのでは、強固さは全く違います。そもそもタワーマンションというのは、地面に割り箸を立てているようなモノなんです。だから、とにかく深く基礎杭を打ちます。何十メートルの地下まで杭を打って基礎にします。その上で揺れを減少させるために免震装置をつけます。逆に言えば、そこまでしてやっと安全なものになるわけです。

じゃあ、低層の方がいいんだ!いえ、それだけではありません。先ほどの低層マンションの図を90度振ってみてみましょう。(※2)
①と②どちらが安全だと思いますか?これも簡単ですね。うすい板は倒れやすいですが、厚い板は倒れにくいのです。超簡単です。

だから、地盤を無視して考えれば、最も安全なのは低層で、かつ平面が正方形の建物ということになります。これを頭に入れておけば、だいたい安全な建物かそうではないのかはわかります。

しかし、敷地も色々、地盤も色々、地価も色々、うすっぺらい建物も、高いタワー状の建物も建てなければいけないときはあります。だからこそ、免震構造に代表される様々な工法が開発され、本来だったら危なかったかもしれない建物が、安全で強固な建物になるわけです。建物の進化というのは正にその歴史なんですよね。

何度も言いますが、私は構造の専門家ではありません。でも、実は冷静に考えると子供がつくる積み木のお家と理屈は一緒なんですよね。これを読んで、みなさまの心配が少しは減ってくれればと思います

※1 タワーと低層
※2 ①と②はどちらが安全?