敷金0のデザイナーズ
素材の切り替えがきれいに効いた、実直な一室です。
馬込の住宅街を歩くと、景色は少しずつ静かになります。低層の建物が並ぶ先に現れるのは、グレーの外壁と大きな開口が印象的な4階建て。派手さではなく、面の切り替えと窓の取り方で見せる外観です。敷地に余白があり、箱の輪郭がきちんと立っているのがいい。こういう建物は、近づくほどに素性が見えてきます。
室内に入ると、まず目に入るのはコンクリート打ち放しの天井と無垢フローリングの対比です。上は硬く、下はやわらかい。その単純な構成だけで空間の温度が決まっている。バイウィンドウのある壁面は、窓からの光を受けて奥行きをつくり、ワンルームでも視線が抜けます。引き戸で寝床を分けることもでき、広さを一枚で使うこともできる。19㎡という数字以上に、動き方を選べる部屋です。
キッチンは木の天板が効いていて、設備の顔つきが少しやわらぎます。水回りは壁際にまとめられ、余計な動線がないぶん、暮らしの手順が素直です。ピクチャーレールや小窓の位置も含めて、装飾より構成で見せるつくり。収納まわりは必要十分で、持ち込みすぎない暮らしと相性がいいでしょう。
素材を見て、光を見て、動線を見て住む。そんな選び方がしっくりくる部屋です。効かせるべきところだけを効かせたこの一室なら、日常も少し輪郭のはっきりしたものになりそうです。





















