隠れ家に住まうように。
人通りの多い駅前を出てとことこ歩くこと10分ちょい。
結構歩いたなと思ったけど、まだ着かない。。
大通りから小道に入り、さらに進む。
住宅が建ち並ぶエリアをとおり、緩やかな坂を上った先にようやく物件を発見する。
やっと着いた。。正直、駅からは遠い。
道中を思い返しても駅前にスーパーがあったが、周辺には、昔からやっている個人商店があるくらいで、コンビニすらない。正直、不便だ。
公園に隣接した物件は、ほどよく緑を覆い、ひっそりと佇む。
その漆黒の外観は、緑をまとい周囲から隠れているようにも見える。
歩き疲れていたので、公園のベンチで少し休んでから、部屋のドアを開けた。
ドアを開けたとたん、窓から心地よい風が、、、入ってはこなかったが、入ってくることをイメージできるほど、素敵な空間だった。
壁で仕切られることのない室内は、スペースを屈折させることで、視線を遮ったり、空間の質を変えているように感じる。
屈折したスペースの奥には、大きな窓があり、窓の外には、まとった緑が風に揺れていた。
この窓を開ければ、きっと気持ちの良い緑の風が入ってくることを簡単にイメージできた。
窓の外には、静かでゆったりとした風景が広がっている。
利便性を捨てる代わりにこのひっそりとした隠れ家的な環境を手に入れた。
ここはそういう環境を求めた人のための隠れ家。
木々に囲まれ。自然に住まう。ひっそりと。