写真と文章は前回募集時のものですので、現況は内覧時にご確認ください
残置物:エアコン3基、ガスコンロ、洗浄便座
僕たちが残すもの、選ぶもの
米澤穂信氏の小説『氷菓』、この小説の一節に出てくる言葉。
そのあとには「古典となっていく」と続くのですが、ざっくりと訳してしまえば、「長い歴史のその先で、誰かの昔話になるだろう」。
長押
鴨居
竿縁
敷居
落とし掛け
和室に使われている部分名称は多岐に渡るけれど、時代の移ろいと共に、世の中から薄れゆくある。
それでもこの部屋には昔に使われていた木がところどころに残っている。
どんな思いでどんな願いを込めてこの建物を建てたのか、僕たちにはわからなくても。
こうしてさりげなく存在を残しながら、いつの日か歴史的遠近法の彼方で古典となってゆく。